2026年07月08日
遊びは学びの居場所づくり ~ボードゲームを使った遊び場~ viva遊学(あそまな)代表 井手 拓也さん
ながさき井戸端パーティーを活用しているかたをご紹介する「井戸端people」。今回は、長崎市を拠点に活動する遊びと学びのサークル「viva遊学」代表の井手拓也さんにお話を伺いました。

―活動のきっかけをお聞かせください。
6年前、島原市で暮らしていたころなのですが息子の不登校の時期と私自身も職場でのトラブルによって休職していた時期がちょうど重なりました。その時に社会から取り残された気持ちになり、「日常」に居づらさを感じていました。ある時、妻から熊本で、ボードゲームを通じて子どもの「楽しい」を引き出している場所のことを教えてもらい行ってみたんです。そこで代表者の方とお話しし、その場所でいきいきと過ごしている子どもたちの姿と場を設けている方の話に共感し、なにより自分自身も楽しかったことから、ボードゲームの可能性を感じ始めました。
その後、息子も学校に戻り、私も職場に復帰を果たしましたが、あの時私が感じた「社会の中で生きづらさを感じた時に楽しく過ごせる場所が少ない」という状況を何とかできないかと思うようになりました。ちょうど元々子どもと一緒にボードゲームで遊んでいたこともあり、興味はあったので熊本で私が体験した場のようにボードゲームを使って他者との関係性を築き、誰でも自由に来ることができ、参加者が少しでも楽しく過ごせる場所が提供できたらとゲーム会を始めたのが現在の活動のきっかけです。

―現在までの活動についてお聞かせください。
これまでも島原市で不定期にボードゲーム会に取り組んでいました。2024年の退職を期に活動を開始し、ボードゲーム会を定例化して「島原あそまな」として展開するとともに、図書館や多文化共生の場でもボードゲームを活用した活動を実施してきました。
そして2025年に生活と活動の拠点を長崎市へ移した後、仲間と「viva遊学(あそまな)」を設立しました。現在は月に数回、休日に長崎市内の自治会集会所などでボードゲーム会を実施しています。参加者は3~6家族程度で、子どもの参加年齢は年長から中学2年生程度です。小さい子どもたちは保護者同伴での参加をお願いしていますが、慣れてきたら子どもだけの参加も受け入れています。なお、ボードゲーム会という名称ですが、常にボードゲームで遊ぶ必要はなく、宿題をしたり、寝転がって休んだりしてもいいというような、思い思いに自由な時間を過ごしてもらっています。

―viva遊学の活動や子どもたちとの関わりで大切にしていることについてお聞かせください。
viva遊学の活動では、3つのことを大切にしています。
まず、子どもたちが安心できる場所をつくることです。雰囲気づくりに配慮し、子どもたちがつい触ったり座ったりしたくなるような環境を整えたり、音楽を流したりするなど、子どもたちが話しやすい空間づくりを心がけています。次に、その子の第一印象を尊重することです。こちらから提案するのではなく、その子が「これおもしろそう」と選んだボードゲームから始めるようにしています。中にはその子にとって少し難しいゲームを選ぶこともありますが、それでも第一印象を大切にしています。そして、私を含めみんなが気持ちよく過ごせるためのルールも設けています。「物・場所を大切に」「休むも楽しく」「良い悪いは言葉で」という3つのルールを大切にし、参加者にも伝えています。

―以前は自分たちでボードゲームを創って遊ぶ、ということにもトライされていましたがどんな思いからですか?
そのイベントは私の中で重要視しておりオリジナルのボードゲームを創る過程に非常に大きな価値があると感じています。
「ルールコンピテンシー」という概念があります。日本語に訳すと「ルールとの付き合い方」や「ルールに対する態度」という意味になります。ただルールを守るだけではなく、「見直す→実行してみる→さらに見直す」というサイクルを繰り返すことで、ルールが楽しさを最大化するためにあることを感じてほしいと考えています。
私たちが普段触れるルールの最たる例で法律があると思います。そうしたルールというのは、私たちが積極的に関わって、実行してみておかしいと思ったら見直していく必要があります。そうすることで、ルールは縛るためではなく、みんなが心地よい空間をつくるためにあるということを感じてほしい。そしてボードゲームはそうした学びと相性が非常によいと考えています。
―今後の活動予定についてお聞かせください。
まずはviva遊学というボードゲーム会を各地で開催し、自治会集会所にボードゲームを常設することで、身近な場所が地域のお年寄りや子どもたちなど色々な世代が一緒に楽しめる交流の場になればいいなと思っています。
ボードゲームというツールを通じて、集会所などの身近にある場所を、世代や国籍も超えた自然な交流が生まれる場所にしたいと考えています。
―読者の皆さんへのメッセージをお願いします。
まずは老若男女、国籍に関係なく私と一緒に遊んでくださる方を募集しています。
次に、「楽しいときは学んでいる」という言葉をもっとみなさんと共有したいです。楽しいときは脳が活性化しているとき、脳が活性化しているということは何かを吸収しているとき、すなわち学びであるということです。学力だけではなく、関係性を築く力ややり抜く力といった生き抜く力に関わる学びを多様な方々と楽しく経験していきたいです。

viva遊学(あそまな) 井手拓也さん
【Instagram】
https://www.instagram.com/idedesutakuya/
【問い合わせ】
長崎市中央地域センター
TEL:095-829-1418
FAX:095-829-1281





