井戸端people

2022年09月20日

「なんかよかまち」は、“人”が良かまち! 西北校区まちづくり協議会 事務局長 山里 聡子(やまざと さとこ)さん

 

西北校区まちづくり協議会(以下、まち協)※1の活動は、「地域に、こんな良か人がいたんだ!という発見の連続。そんな出会いに感謝!」と明るく語る山里さん。西北では「なんかよかまち 西北」をスローガンに、地域のみなさんがキラリと光る個性を活かし合い、自発的にまちづくりに参画しています。「5年後、10年後も暮らしやすいまち」、「誰一人取り残さない」を目標に自主防災組織の活動も始めました。

 

まち協最大イベント、愛あふれる「西北まつり」は、昨年2,500人を集め大盛況。

 

事務局長の山里さんに、まち協の取り組みや地域に対する思いをお聞きしました。

 

 

Q.地域活動を始めたきっかけは?

 

私は転勤族で、8か所ほど転宅をしています。色々なまちに住んで、どこも第二の故郷と思えるほど大好きなふるさととなりました。それは、それぞれの土地で“人”に恵まれたからなんです。今、人と関わること、人間が大好きな理由の原点はそこにあると思います。

 

西北での地域活動の始まりは、西北小学校の育友会です。それから岩屋中育成協などの活動をしていく中で、自治会長さん・民生委員さん方の大変さを目の当たりにしました。この方々から頼まれたことは、お互いさまで出来る限りする。そんな関係性で、まち協を設立しようという時も自然な流れで準備委員会のコアメンバーになりました。

 

 

Q.まちづくり協議会が始まって、いかがですか?

 

西北のまち協は、準備委員会から立ち上げようとする気持ちで一致団結していたので、スムーズに立ち上がったと思います。ワークショップでは、地域の方々が大勢来てくださり、真剣に地域の課題やこれからのことについて話し合いました。まちづくりのスローガン「なんかよかまち 西北」は、グループで一番若い中学生・20代の社会人から生まれました。スローガンとしては抽象的ではと感じた方もおられました。でも若い人が、そう思ったことを否定せず受け入れる、その懐の深さ、器の広さが、西北がスムーズに前に進む理由だと思っています。商業施設とか観光スポットとか、何か特別なものがあるわけじゃない。でも家に帰ってゆっくり寝られる場所がある、安心感だったり、何気ない人の温かさだったり、それしかないけど、実はそれが一番有難いことだと気づかされました。

 

もう一つは、みんなが尊敬する、わがまちのリーダー田上会長だからこそ、まち協は発足したと思っています。三世代で対話のできる環境、西北の未来を語り合うってなかなかできなかったし、対話は大切な事ですよね。「自分たちのまちのことは自分たちで」、困りごとを自分たちで解決する、そのための事業をしていく。それは人やまちに対しての恩返しに繋がり、まちが良くなるんだから、協議会が設立されて本当に良かったことだらけですよ。

 

 

Q.「まちづくり協力隊」とは。

 

――西北には「まちづくり協力隊」という、ユニークな組織があるそうですね。

 

「まちづくり協力隊」は西北をより良いまちにしたいという想いのあるサポーターです。まち協の事業に得意分野を活かしてもらう事、これならできるを適材適所で発揮してもらい、今では、なくてはならない有難い存在なんです。

小学5年生からご年配の方まで40名ほど登録してくれています。事業があるごとに「それならできる!」っていうことをしてもらっています。一度長崎を離れて戻ってきた若者も協力隊に参加してくれています。何よりふるさとを気がけてくれることが嬉しいですね。

 

協力隊の人たちには、広報やイベントの企画や運営に主体的に携わってもらっています。大工さんがイベントのテントやステージをつくる大工係をかって出てくれたり、異彩を放つポスターをつくってくれたり、若い発想で盛り上げて下さっています。事業をやると「こんなすごい人がいたんだ!」「ここにもいた!」というあらたな発掘もあって嬉しいです。今後は、まち協のSNSも、協力隊のみなさんに若者目線でどんどん発信してほしいなと思っています。

 

 

Q.地域の一大イベント「西北まつり」について。

 

――まち協主催の「西北まつり」には、昨年2,500人も来られたそうですね!

 

運営側のこちらもびっくりでした!(笑)。ワークショップで「地域のお祭りがほしかね~」という意見から始まりました。多世代の方々に、ゆっくり楽しんでもらえるようなお祭りを目指しています。「また来年も来たい」「楽しみにしています」という喜びの声が多く、嬉しい限りですね。事業目的でもある絆を深めるには、お祭りは大正解だったと思います。

 

――人が集まる秘密を教えてください!!

 

お祭りのブースは、プロに頼まず西北に関わる人に出店してもらっています。例えば、塗装屋さんの「メダカすくい」ブースとか。出店側は、地域の人に喜んでもらいたいとの思いでしています。それぞれの持ち味というか人間力が出ていて、飾りつけなどにも愛が溢れています。みなさんで作るので、想像をはるかに超えてくる、伸びしろ半端ない西北まつりだと思います。とにかく、関わる地域のみなさんの底力がすごいんです。

 

 

――事務局長の山里さんも準備で大変なのでは?

 

事務局は、要点のみお祭りの実行委員会の場でお知らせしています。あとはみなさんが、手間暇かけて、自分ができる範囲の精一杯のことを自発的にしてくれています。それが西北の底力で良いところ。みなさんの協力で素晴らしいお祭りに仕上がっていくんです。

 

直前になると時間が足りないぐらい忙しくなりますね。我が家で、友人や協力隊の若い世代の方々とワイワイ言いながら作業します。みんな日々忙しい中に時間を割いてくれて、そのお陰で、何とか間に合う。一人でするわけではないから大変ではなく楽しいんですよね。お祭りの後は、反省会をちゃんとして、課題をみつめて次の年に活かすようにしています。

 

今後は子どもたちにも主体的に関わっていってほしいですね。何気に始めたイケメンコンテストは好評で今年も既にエントリーが8名。継続は力なりで、5年続いたら歴代の優勝者に集まってもらい、グラチャンコンテストをしても、おもしろいですね(笑)。最初に優勝した小学生がイケメン高校生?どう成長しているのか楽しみです。

 

 

Q.自主防災組織について教えてください。

 

「なんかよかまち」が、5年後、10年後も安心安全なまちであるように、今年度から西北防災に力を入れています。西北自主防災組織では、公助が入るまで自分たちで賄えるように、避難所を運営するための勉強会をしたり、防災倉庫も作りました。「誰一人取り残さない」を合言葉にいざというときに助け合えるように一つずつ準備をしています。

 

救急搬送の時などに使われる「安心カード」に避難時の情報を追加したものをご自宅の冷蔵庫に保管してもらう、情報をアップデートをしていくことも大事なことだと思います。

 

困った時に誰が助けてくれるかっていったら、近所の人たちなんですよね。助けることができる人が増えれば、それだけ助かる人も増えると思うんですよ。

 

 

Q.山里さんにとって、理想のまちづくりとは?

 

まち協の活動は、人生が豊かになる活動だと思っています。自分のためだけではなく、人を助けるために動く、自主防組織。人財を発見するきっかけになる西北まつり。出会うはずのなかったステキな方々に巡り会える。出会うきっかけをくれるまち協にも感謝しています。

 

協力隊の若手の人たちと一緒にご飯を食べては、今の若者は真面目で偉いなと感心するし、器の大きい先輩方がいて、謙虚に私たちをひっぱってくれる。その若手がやがて大人になり、じゅんぐりです。じゅんぐりを味わうことは気づきがあり、人間の成長に大事なことだと思っています。事業目的にある、3世代の交流は人間関係の基本であり、次を見据えた事業の礎です。

 

西北のまち協は、同じ飛行機に乗った、ある意味“運命共同体”だと思っています。次世代を担う子どもたちが、西北校区が大好き!大人になってもここに住みたいと思えるまちづくりが理想です。そういう人たちが増えたら幸せですよね。

 

 

 

西北校区まちづくり協議会について
HP: https://www.city.nagasaki.lg.jp/shimin/191000/192000/p035497.html
Instagram: https://www.instagram.com/nishikita_machizukuri/
Facebook: https://m.facebook.com/nishikita.machizukuri/

 

※1 地域コミュニティ連絡協議会について
長崎市では、自治会をはじめ地域の様々な団体や住民のみなさんが連携し、地域のまちづくりを行う「地域コミュニティ連絡協議会」が、市内26地区(令和4年8月28日現在)で設立しています。
https://www.city.nagasaki.lg.jp/shimin/191000/192000/index.html