2023年02月22日
「小さなマーケット」から大きな輪を 平和町自治会
今回の井戸端peopleは、平和町自治会の皆さん。平和町公民館を会場に「町内のみんなが寄り合って楽しめるような場にしたい」と、昨年初めて「平和町小さなマーケット」を開催しました。趣向を凝らしたワークショップや手作りの雑貨、軽食、フリーマーケットなど多くの親子連れで賑わい、「またやってほしい」との声も多かったそう。
「小さくても良いから、町内のみんなが楽しめることを定期的にやっていきたい」と、一人ひとりができることを分担し、力を合わせて取り組む平和町自治会の皆さんです。
今回は、自治会役員のひとりで主に自治会行事の企画や運営を担当する吉田慶子さんに、自治会の様子やみんなが楽しめるイベントにするための取り組みについて聞きました。
Q.「平和町小さなマーケット」は2回開催されていますが、公民館で始めたきっかけは?
平和町公民館は、昔ながらの平屋で藤棚もあって、すごく魅力的な場所なんです。平和町公民館でイベントがあれば、徒歩で集まれて、雨風もしのげるなど運営する人にとっても参加する人にとっても負担が少ないと思いました。そして、定期的に開催すれば、近隣の老若男女の皆さんの交流の場が作れるかもしれないと思い、平和町公民館で開催しました。
Q.イベントを通して目指すものとは
――イベントでは特にワークショップが子どもたちを中心に人気なんだとか。
まずは町内の人に、このイベントを知って参加してほしいです。
「平和町小さなマーケット」を私も含め、色々な人が「チャレンジする場」にしたいです。身近に、お勤めしながら趣味としてモノづくりをされるかたがたくさんいます。しかもすごくクオリティが高い。皆さん「自分の作品を出品してみたい気持ちはあるけど、私なんか…」って言うんです。私は、とにかく皆さんの素敵な作品を、多くの人に見てほしい!と思いました。出店をお願いして「平和町小さなマーケット」で作品を出してもらえることになったんですけど、ただ作品を出すだけじゃなくて、ワークショップ形式にしてくれたんです。イベント当日、ワークショップは子どもたちに大人気!出店者さんにとっても子どもたちにとっても「チャレンジする場」になったと思います。
参加者の一人が、ワークショップで作ったものを自分用とお母さん用にと大切に持って帰る姿がすごく印象に残っています。
Q.イベントへのこだわりを教えてください。
イベントの規模は、小さくて良いと思うんです。自治会主催なので、まずは町内の人に来てもらうことを考えました。「平和町小さなマーケット」ではスタンプラリーを行い、1回目は町内に2か所、2回目は4か所設置しました。2回目の時は、通常営業でお忙しい中、商店街のかたにスタンプ台設置にご協力いただきました。
今後も商店街の皆さんと一緒に町全体で楽しめることを考えていきたいです。
Q.イベントを企画、運営するにあたって工夫していることは何ですか?
イベントの開催は町の人の協力なしではできません。でも、自分に置き換えてみると「手伝いに来てください」とだけ言われても、「何の手伝いかな?」「何時間くらいかな?」と思っちゃうから、「ワークショップの先生のお手伝いをお願いします」や「1時間程度のお手伝いをお願いします」など、具体的にお願いするようにしています。
回数を重ねていって、いずれみんなで企画、運営のできる町になっていくと信じています。
Q.活動して良かったと思う瞬間は?
子どもたちがお友達同士で来てくれるんです。町内の人が見守る中、子どもたちが色々な経験をする…。まず何よりも、親も子どもも安心して楽しむ姿を見ると活動してよかったと思いますね。
そして、1回目の「平和町小さなマーケット」でお客さんが来るかどうかもわからない中、勇気を出して自分の作品を出店してくださったかたや立ち寄ってくださったかたから、「楽しかった!」「またやってください!」と言っていただいた時は本当に励みになりましたし、「やってよかったね」って自治会役員同士でも話しました。
Q.自治会行事をするうえで大変なことは?
「平和町小さなマーケット」などのイベントはとても一人ではできない。でも、自治会長さんも副会長さんも親身になって相談に乗ってくれるし、自治会役員の皆さんも手伝ってくれるからそんなに負担はないんです。自治会役員におばあちゃんが4人いるんですけど、中には20年も自治会役員をされているかたがいます。 皆さんで公民館の管理や自治会の取りまとめ、広報などを担っていただいています。
私が、「イベントやります!豚汁とカレーを自治会から出したいです!」と提案すると、「何杯分作るね?」と、すぐに準備にとりかかってくれました。作る作業は大変だから、反対されるかなあと思っていたので正直驚きました(笑)。いつでも、誰よりも早く来てくれて準備万端の状態にしてくれたり、本当にありがたいです。皆さんご高齢で無理はさせられないけど、ずっと一緒に平和町マーケットをやっていきたいですね。そのためには、イベントをしながら仲間を増やせるように努力したいと思います。
――学生さんも手伝いに来てくれるとか。
長崎大学の「日本教育研究会」というサークルで活動している学生さんで昨年からのお付き合いです。メンバーのひとりが平和町にある自治会長さんのお店でアルバイトをしていたつながりで、サークル主催の子ども向けのイベントを平和町自治会で周知をしてほしいって頼まれたことがきっかけです。大学生から自治会を頼ってもらえたことがすごく嬉しかったですね。
それからしばらくして、平和町自治会でイベントをするから手伝ってほしいって、今度はこちらからお願いしました。そしたら学生の皆さんは、勉強やアルバイトで忙しい中、嫌な顔ひとつせずに手伝いに来てくれました。若者らしいアイデアで限られた材料を使い、公民館の飾りつけをしてくれたり、本当に助かっています。
ただ、何か学生さんにもお返しをしたいので、1回目はカレーを、2回目は豚汁とおにぎりを出しました。
Q.今後の目標について教えてください。
平和町自治会役員の思いは、とにかく子どもたちが楽しめること、子どもたちのためになることをしていきたいです。それを目指して、今後もっと色々なジャンルのワークショップを考えています。ワークショップの先生たちと出会い、体験して知識を得る、子どもたちにとって大切な経験だと思います。子どもたちが何かを作りたいと思った時に、家庭だと一から材料買い揃えると、時間も費用も負担もかかって、できないことが多いと思うんです。子どもがワークショップを通して、なかなか経験できないことに夢中になって取り組む姿を見ると親御さんは嬉しいはずです。だから、子どもたちが様々なことを経験できる場所づくりをしたいですね。
そして「平和町小さなマーケット」を通して皆さんがやりたいこと、やってみたかったと心残りに思っていることをやってほしいです。「チャレンジする」って意外と勇気がいると思うんです。だから、「平和町小さなマーケット」でやりたいことをやってみましょう!
今後、ご高齢のかた向けのイベントも考えています。
平和町自治会は、地元の皆さんに還元できる自治会運営をしていきたいと考えています。