2022年04月20日
ホテルニュータンダから長崎居留地の魅力を発信!!八尾 直美さん
水辺の森公園の前に建つ赤レンガが特徴的なホテルニュータンダ。今回は、そこで企画部次長 兼 飲料部次長を務める八尾(はちお)さんにお話を伺いました。
八尾さんは、ウエディングプランナーの道からホテル業界に入ったそうです。
井戸端パーティーには「長崎居留地『青空GARDEN』」などの企画を投稿していただきました。ホテルの商品開発やイベント、食事、宿泊プランの企画等を通して、長崎居留地の魅力発信やユニバーサル社会の実現に向けた取り組みを実践しています。ぜひご覧ください。
Q.印象に残る企画を教えてください。
長崎居留地「青空GARDEN」「夕焼けGARDEN」
2021年の4月と10月に開催しました。コロナ禍でもお出かけを安全に楽しんでもらいたい。そして数々のイベントが中止となり、出演・出店が減っている長崎の演奏グループ様やマルシェ出店者様と一緒にイベントを開催したいと思ったんです。出店者様は、私の知り合いのお店から一軒ずつ繋いで無料で参加していただきました。思った以上に楽しんでいただけたようで、お客様と出店者様の楽しそうな会話が印象的でした。
――反響はいかがでしたか?
「楽しくて3回連続で来ました!」という方や、昼も夜も来てくださった方もいらっしゃいました。お客様、そして出店者様にも喜んでいただけたことが本当に嬉しかったです。マルシェと演奏を組み込むことで、「ニュータンダの屋上に初めて来ました!」と言ってくださる女性の声もたくさんいただきました。このイベントで長崎の港や居留地の景色を眺望できるホテルニュータンダの屋上の魅力に気づいていただいて嬉しく思います。出店者様も「次はいつやるんですか?」と次回開催を楽しみにされているようです。
――私も参加させていただきました!長崎を拠点に活動している出店者の皆さんとの交流や見晴らしの良い屋上でのランチで贅沢な気分を味わうことができて、楽しませていただきました!
2022年も開催されるんですか?
2022年は、5月7日・8日と秋頃の2回、開催を予定しています!
味に一切の妥協無し!!日本初 音声コード付きレトルト商品
日頃から、道に迷ったり困っている人がいたら声をかける性格で、何度か、白杖を持たれた方がバスに乗る時に空いてるお席へ案内したりすることもありました。今回の商品開発の企画段階で、「視覚障がいの方はどんなふうにご飯を作って食べているんだろう?」と思い調べてみると、たくさんのご苦労があることがわかりました。「視覚障がいがある方にもっと目を向けていかなければ」と思ったんです。
はじめは「点字」の調理方法をパッケージに同封しようと考え、まずは点字器具を購入し勉強を始めました。そして、実際に視覚に障がいを持たれている方と一緒に考えなければ、ちゃんとした物はできないと思いました。そこで、長崎県立盲学校の教頭先生にその想いを伝えましたところ、全盲の先生と一緒に商品開発にご協力いただけることになりました。
この日のことは今思い出しても涙が出るくらい嬉しく本当に有難かったです。
打ち合わせをしていくなかで、先生から「音声コード Uni-Voice」を紹介されました。スマホの専用アプリでコードを読み込むと音声で読み上げる機能なのですが、その便利さと素晴らしい機能に感動し、すぐに点字から音声コードへ切り替えることを決めました。音声コード部分は指先で判別しやすいエンボス加工にしました。これならば、視覚障がい者の方だけでなく、失読症や小さい文字が見えにくくなった高齢者の方にも調理法を音声でお知らせできます。
そして、パッケージは長崎を愛し、失われゆく居留地の姿を描き続けた版画家 田川憲さんの作品です。作品を所蔵管理する孫の田川 俊様、由紀様ご夫妻に商品開発に込めた想いを伝え、ご賛同いただき作品をご提供いただきました。ただのパッケージではなく、この作品で長崎の文化を伝えていきたいと思っております。
実は、パッケージの中には「版画のオリジナルポストカード」が入っているんですよ!
この新商品「長崎居留地 洋食シリーズ」は、たくさんの方々の想いと願いで誕生しました。ご協力いただきました関係者の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。
これから色んな企業がこの便利な音声コードをどんどん活用して、視覚障がい者や失読症、高齢者にとって、もっと暮らしやすい社会になるといいなと思います。もちろん、ホテルニュータンダからも「SDGs」の理念でもある「誰1人取り残さない」社会の実現に向けた取り組みを実践して参ります。
――障がい者と健常者の間に、まだまだ隔たりがあるように感じますよね。他人事ではなくて、自分事として考えていきたいです。音声コード付きの食品が普及すると、視覚障がいを持つ方の食を選ぶ楽しみが増えますね!
Q.井戸端パーティーで発信したいことは?
他県の人の方が「長崎っていいよね!」って、長崎の魅力を知っているように感じるんです……。地元の皆さんに長崎をもっと好きになっていただけるように、長崎の魅力を色んなカタチで発信していきたいですね。地域や周りの人と連携し、一緒にやっていくのが楽しいんです!!
それから、健常者と障がい者を繋げていきたい。もっとそういう場があれば、皆が障がいについて考えることで、隔たりが無くなっていき、より住みやすい世の中になっていくのかなって。一人で悩む人がいないように何かできたらいいですね。
最後に
長崎居留地に建つホテルから、長崎の魅力を発信し続ける八尾さん!「長崎を愛する方が増えてくれたらな」と話す八尾さんの企画は、多くの方の「こんなのあったらいいな!」をカタチにして、日々の暮らしがさらに楽しくなるアイデアに溢れています。