井戸端people

2023年06月23日

仲間と一緒に、茂木を活気あるまちに 茂木若人の会 会長、茂木郵便局長 池山賢太郎さん

今回の井戸端peopleは、茂木郵便局長であり、「茂木若人(わこうど)の会」(以下、若人の会)を立ち上げた池山賢太郎さん。地域コミュニティ連絡協議会や連合自治会と連携して、茂木を愛するメンバーたちと次々にイベントを企画しています。
昨年は、15年ぶりの花火大会「みんなでつくる!!第1回茂木花火大会」を開催。みんなで力を合わせれば絶対できるとの思いで、地域総出で半年かけて準備したのだそう。当日は2,500人が訪れ、大成功を収めました。
他にも茂木地区ふれあいまつりや地域の清掃活動など、さまざまな場面でまちを盛り上げる茂木若人の会。「茂木と関わる人が増え、進学や就職で離れた人が帰ってきたくなるようなまちにしたい」と熱く語ります。

 

Q.故郷、茂木地区について
──もともと茂木のご出身ですか?
はい。大学で東京に出たんですけど、故郷に帰りたいっていう思いがずっとあって、卒業してすぐに茂木に戻りました。地域コミュニティ連絡協議会副会長の山口正記さんに消防団に誘われて以来ずっと茂木に関わっています。
よく茂木のどんなところが好きですか?って聞かれるんですけど、通勤途中で朝日を浴びて清々しい気持ちになったり、帰りがけに月が海に映ってきれいだったり、茂木の人にとってはあたりまえの光景をみていて、茂木は自分の存在そのもののような、僕の「アイデンティティ」なんだなって感じるようになりましたね。

 

Q.茂木若人の会について
──発足のきっかけは?
茂木にはもともと連合自治会、消防団、ペーロン保存会など様々な地域活動団体があって、2016年にはそれらが参加して長崎市の他地域に先駆けて茂木コミュニティ連絡協議会(以下、協議会)が設立されました。僕自身も協議会の事務局メンバーとして、産業振興・交流部会、子育て・青少年育成部会など、地域の方々が部会に分かれて事業を行っていくなかで、部会や団体、企業を横断して若手のつながりがつくれたらおもしろいんじゃないかと思ったんです。色々な特技をもった人や熱意のある人が多いので、若者がもっと自由にまちづくり活動ができるような団体があればと思って。それが若人の会をつくったきっかけです。

 

──メンバーはどんな方たちですか?
今、49歳以下のメンバーが35名ほど会に入ってくれています。茂木在住の方ばかりではなくて、奥さんが茂木出身だったり、以前茂木に住んでいた方だったり、茂木を愛する方であれば住んでいなくても誰でも若人の会に入ることができます!(笑)
若人の会には提言委員長と行動委員長と総務委員長の3人の委員長と事務局長がいます。提言委員長の哲平さんは、言葉に説得力があるんですよ。行動委員長の猛司さんは、中学校のPTA会長で文字通り行動力がすごい。茂木ペーロン保存会の監督でもあります。総務委員長の竜之介さんは、細かいことによく気づいて総合的に助言をしてくれる。事務局長の峯さんは、熱くて賢い(笑)。そんな風に気軽に名前を呼び合える頼りになる仲間たちで、メンバー全員がもっている色々な感性を引き出して活かしていくのが自分の役割だと思っています。
若人の会は、自分たちの所属する団体や本業のこともお願いしあえる関係をつくっています。そうした自分たちの関わる団体から要請を受けて、色々なイベントを企画することもあります。

 

Q.どんな活動をしていますか?
──3月5日開催の『リヤカー市』は多くの方たちでにぎわっていましたね。
リヤカー市は協議会の産業振興・交流部会の主催ですが、グリーンツーリズムで地域を盛り上げる「ちんじんよかBy茂木」や若人の会も協働して2か月かけてつくりあげました。世代を超えて広く周知できればと、メンバーがSNSで拡散し、連合自治会にチラシ配布をお願いして回覧板で全世帯に回して、当日はたくさんの出店者を集めて開催することができました。夜には地元に進出している企業の主催でドライブインシアターもあって50台くらい入ったんですよ。この企業は茂木のことが大好きになってくれて、日頃から地域イベントに協力してくれるんですが、今回のイベントは明石市の本社から若手メンバーがやってきて地域の人に喜ばれるイベントになればと提案してくれました。今年もまた一緒に何かしましょうねって話しているところです。本当に大盛況で、「1年に1回と言わずもっとやってほしい!」という声をもらえてうれしかったです。
この他にも、3年ぶりに行われたふれあいまつりでの出店や盛り上げ役を担ったり、若人の会単独で清掃活動を行ったりしています。

 

Q.15年ぶりに復活した花火大会
若人の会が関わった最大のイベントといえば『みんなでつくる!!第1回茂木花火大会』ですね。茂木では、15年間花火大会が途絶えてしまっていたんです。それが地域の方の「若い人で花火大会やってみんね」っていう言葉に触発されて僕たちが協議会や連合自治会に「みんなでやりましょう!」って呼びかけて、3つの団体がそろって主催するかたちで開催することになりました。
8月20日の開催だったんですけど、3月から始まった準備期間中はコロナ禍の真っ只中、しかも若人の会のメンバーの中で以前の花火大会に携わった人は一人もおらず、本当にゼロからのスタートでした。花火の業者さんって普通知らないじゃないですか(笑)。先輩たちを頼って業者さんを探したり、どこに許可をとったらいいのか調べたり、「打ち上げ場所から観客席までは110メートルは距離が必要みたいだ」とか、試行錯誤の連続でした。でもあの時も、誰もやめようって言わなかったんですよね。やめるのは簡単ですけど、みんなでなんとかしてやろうって。コロナ禍でもできる方法を検討しようって。若人の会では、「できないという言葉は使わないようにしよう。できない理由を絶対に探さない」ってよく話しているんです。いつもできる方法を探して、「自分たちなら絶対できるんだ」って思ってやっています。
結果的に2,500人も来場してくれました。花火大会の大成功は、確実にみんなの自信になりましたね。

 

Q.今後の活動について
──若人の会は2021年に発足されたばかりですが、早速、花火大会を実現されましたね。
僕たちは『10カ年構想』をつくっていて、そのなかで花火大会を3年以内に実施することを掲げていたんです。そうして着実に実行できているのも、茂木の先輩たちが僕たち若人の会を応援してくれているのが大きいですね。みんなで反省会という名の打ち上げをする度に、熱い人間ばかりなので若人の会をこれからどうしていこうとか、何をしようとか、真剣に話すんですよ。茂木大運動会ではお年寄りにも10メートルくらいリレーで走ってもらおうとか、『茂木弁LINEスタンプ』をつくろうとか、いろいろなアイデアが生まれて、この先の計画もいっぱいあります。最終的には、茂木にスーパー道の駅をつくりたいんですよ。熊本地震の時、道の駅が自衛隊の拠点になったらしいんです。そういう防災の役目も果たす場所を提言していきたいですね。

 

──活動の原動力は、やはり茂木に対する愛着や想いから?
そうですね。それと、危機感が少し…。小学校がなくなったら嫌だなって。茂木でも1学年1クラスずつで24、5人ですし、人が減っているのは確かです。若手の僕たちががんばって地域を明るくすることで、進学や就職などで一旦茂木を出た人も、「また帰ってきたい」と思えるまちにしていきたいですね。それともうひとつ、茂木の『関係人口※』を増やしたいんです。住む人を増やすのは難しくても、花火大会や茂木大運動会、茂木くんちなど、人が訪れてくれるような文化が生まれれば、関係人口は増やせるんですよね。人口をシェアするという考え方です。そうして茂木と関わりをもつ人口をどんどん増やしていくのも僕たちの構想のひとつです。
茂木は、僕のアイデンティティそのもの。自分の子どもやまちの子どもたちにも茂木の人やまちってこんなに良いんだよって伝えていきたい気持ちももちろんあります。でも自分の考えを押し付けるつもりはないんです。世代も違いますし、どこが良いか、何が良いかは自分たちの心で感じてほしいって思っています。

 

※関係人口:移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉。(総務省:関係人口とは|『関係人口』ポータルサイト

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