井戸端people

2024年05月23日

長崎の消えゆく「暮らしの記憶」をつなぎたい  「まいにち長崎」 岡村真理さん

ながさき井戸端パーティーを活用しているかたをご紹介する「井戸端people」。今回は、「まいにち長崎」の副代表として幅広く活躍している岡村真理さんにお話を伺いました。

 

 

―「まいにち長崎」とはどのような団体なのでしょうか。
まいにち長崎は、長崎市内における「日常の暮らしの記憶」を記録し、次世代につなげることを目的とした団体です。当初はFacebookグループを用いたオンライン上での交流がメインだったのですが、実際に会う機会も増やしていきたいねという声があがり、「昭和の長崎での日常」をテーマにしたイベントやまち歩きも行うようになりました。高齢者と若者、地域と観光客との交流を促進することで、「長崎ファン」が増えていったらいいなと思い活動しています。

 

―「昭和の長崎での日常」をテーマにしたイベントについて詳しく教えてください。
明治や大正、それ以前のことは保存・継承されているように思うのですが、昭和についてはあまり知られていないような気がしていたんです。当時の長崎を知るかたが元気なうちに話を聴いて、記録したいと思い、「昭和の長崎での日常」をテーマにイベントを開催しました。「昭和」と「今」の長崎の街並みの写真や、生活道具、おもちゃを展示したり、当時を知るかたをゲストに座談会やまち歩きを行ったりしています。昭和レトロブームということもあって、SNSを見てくれた観光客や若者も立ち寄ってくれますね。観光客や若者の中には、歴史の授業で昔の長崎について学ぶ機会はあっても、昭和の長崎のことはあまり知らないという人が多いみたいなんです。そこで地元のかたが当時の暮らしについて語ることで、そのことがきっかけとなり1つの交流が生まれているようです。いろいろな立場の人同士の交流が生まれているので、同じ空間にいられて嬉しいなって思います。

 

―SNSでの活動も活発だとお聞きしました。
SNSはFacebook、Instagram、Xを使っていて、メディアでは取り上げられないような長崎のディープな情報を掲載しています。合わせて約7,000人の方に見ていただいています。3,700人以上のメンバーからなるFacebookのグループは、メンバーの皆さんが長崎での何気ない日常や街並みを発信・共有しています。メンバーの中には長崎出身の県外在住者も多く、「懐かしい」などのコメントが多く寄せられていますね。県外では長崎の情報を得ることもなかなかないそうなので好評です。

 

―様々な活動をされていますが、心に残っていることってありますか?
嬉しかったことは、イベントに参加してくださった仙台からの観光客のかたに「旅行で長崎に来たけど、イベントを通じて地元の人と交流できたことが1番印象に残った」って言ってもらえたことですね。イベントの中で出会った地元の人から、観光パンフレットやインターネットには載っていないスポットを教えてもらえたことを喜んでいられて、まさに「長崎ファン」が誕生した瞬間でした。「また来るね」って言って、その後2回も長崎に遊びに来てくださったんです。イベントにも参加してくれたり、SNSに投稿してくれたりと、今でも交流が続いてます。最近の観光客って「よりディープな経験をしたい。地元の人とつながりたい」って思うかたが増えているみたいなんです。まいにち長崎のイベントが、長崎をより楽しんでもらえるきっかけになったらいいなと思います。
活動を続ける中で、資金の面や昭和のアイテムの保管場所に苦労することもありますが、協力してくれる仲間もいるので、楽しく活動することができています!

 

―最後に、みなさんへのメッセージをお願いします。
今の長崎って新旧のものが混在していてとても面白いなって思うんです。地元の人も観光客も、そんな長崎を楽しんで味わってほしいなって思います。新しい長崎にワクワクしつつ、時には「まちの記憶」に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。そして、まいにち長崎のSNSを見たり、イベントにも参加してくださると嬉しいです!今後は、交流のなかで地域の方々に教えてもらった「昭和の想い出エピソード」をまとめた冊子を、発行したいと思っています。みなさんお楽しみに!

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