2026年01月21日
音楽の楽しさを伝える吹奏楽の響き ~長崎に根ざし、仲間と奏でる本格サウンド~ アンサンブル・ラフォーリア 団長 柴田智美さん
ながさき井戸端パーティーを活用している方をご紹介する「井戸端people」。今回は、長崎市を拠点に活動する市民吹奏楽団「アンサンブル・ラフォーリア」団長の柴田智美さんにお話を伺いました。

―吹奏楽団の設立のきっかけを教えてください。
高校時代のオーケストラ部の同級生から、「長崎から全国大会出場を目指せるような、九州を代表する熱い吹奏楽団をつくりたいと考えているのだけど、どうだろう?」と声をかけられたことがきっかけです。
社会人になっても楽器を続けている人は少ないのですが、声をかけてくれた彼も私も、長崎で活動する別々のアンサンブルチーム(少人数で演奏する団体)で演奏を続けていました。
仲間と本格的な音楽に挑みたいという思いと、楽器の演奏を長く続けられる場をつくりたいという思いのもと、それぞれのチームのメンバーに声をかけ、2019年に2つのチームが合体する形で吹奏楽団を立ち上げました。10人ほどのメンバーでスタートして、設立8年目を迎えた現在は約75人が在籍しています。演奏会の開催やコンクールへの出場など、活動の幅も広がっています。
団名の「ラフォーリア」とは、スペインに由来する舞曲で「熱狂的」という意味です。演奏している人も、聴いている人も、心から音楽を楽しめ、会場をドキドキ、ワクワクと熱狂で沸かせられるような演奏を目指していきたいという思いを込めています。
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―楽団はどんなパートで構成されているのでしょうか。
クラリネット、フルート、サックスといった木管楽器、トランペット、ホルン、トロンボーン、ユーフォニアム、チューバといった金管楽器、ドラムやティンパニー、シンバルといった打楽器(パーカッション)と、大まかにいうと9つのパートで構成しています。
どのパートも元気いっぱいで、全国大会金賞受賞者も在籍する木管楽器の超絶技巧に金管楽器がのって響き合い、そこに打楽器が加わって、ワーッと迫力ある音を奏でます。コンクールなどでは、「ラフォーリアは音圧や音に対する熱量がすごい」という評価をいただいています。
―昨年は九州吹奏楽コンクール一般の部で金賞を受賞されましたが、その取り組みについて教えてください。
吹奏楽コンクールでは、2021年から5年連続で長崎県代表として九州大会に出場し、2025年は一般の部として長崎県で6年ぶりとなる金賞を受賞しました。
学生から社会人まで様々なメンバーが集り、限られた時間の中で練習することの難しさにぶつかりながらも、それぞれができることに真剣に取り組みました。本番は一丸となった演奏で金賞を受賞することができ、本当に嬉しかったです。
通常の練習は、毎週土曜日の夜に公共施設を借りて行っています。勉強や仕事、家庭の事情でどうしても参加が難しい日もありますが、そんな時には、自宅で呼吸や息継ぎ、指使いの練習をしたり、演奏の録音を聴いて楽譜をよんだりと、「個人個人が最大限の努力をしよう!」を合言葉に取り組んでいます。
特にコンクールや演奏会前は、パートマネジャーを中心に集まってパートごとに練習をしたり、カラオケボックスなどで自主練習をしたりしている団員も多くいます。そして、楽団として集まる練習の日には、とにかく集中して全パートの音を合わせます。

―大人数の団員をまとめる難しさなどはありますか。
本格的な音楽に挑むという志を共有し、ラフォーリアとして熱狂的な音楽をつくりあげるために集まっているメンバーですので、とてもよくまとまっています。逆に、団員同士が声をかけ合い、率先して動いてくれる場面も多く、団長の私の方が助けられています。
実は、団員を100人まで増やしたいと思っています。スケールの大きな曲を演奏するには、やはり人数が必要です。また、長く活動を続けていくうえでも、人数が多いということは重要です。例えば、妊娠した団員がいたときに、同じパートが2人しかいなければ休みにくいですが、5人いれば他の4人でカバーすることができます。妊娠・出産の他にも、子育てや転勤、介護といったそれぞれのライフステージに応じて、団員みんなで支え合いながら、楽器の演奏を長く続けていける体制を整えていきたいと考えています。

―演奏会はどんな雰囲気でしょうか。
毎年、春にブリックホールで定期演奏会、秋に小さめのホールでミニコンサートを開催しています。
定期演奏会は3部構成で、第1部でその年のコンクール課題曲や吹奏楽オリジナル作品、第2部でクラシック作品を演奏し、第3部は「ラフォーリア熱狂ステージ」と銘打ってポップスを中心としたステージを披露しています。第3部には、パンダの被り物をしたドラムが登場するなど、エンターテインメント性のある演出も盛り込み、特に盛り上がります。
ミニコンサートは2部構成で、第1部で少人数編成のアンサンブルステージ、第2部でアニメやゲーム、映画などでなじみのある楽曲を中心に、臨場感のあるステージをお届けしています。
「迫力がすごい」、「響きが美しい」といった音楽に関する感想はもちろんですが、「こんなに楽しそうでおもしろい吹奏楽団は他にあるのでしょうか」という感想や、「和やかな雰囲気がとてもよかった」、「心がはずんで元気をもらいました」、「音色が人生のはげみになっています」といった声をいただき、大変嬉しく思っています。
音楽は楽しくないとできません。気持ちがそのまま音に出てしまいますから。団員には常々、「一緒に音楽を楽しんでつくっていこう」と話しています。


―地域での音楽活動について教えてください。
演奏会に来ていただいた地域の方から声がかかり、昨年は5月に「銭座地区コミュニティーセンター創立20周年記念コンサート」を銭座小学校で行いました。また、小学校の先生から「ぜひうちの子どもたちにも生演奏を聴かせて欲しい」と依頼があり、6月には伊良林小学校で全児童を前に演奏しました。イベントでは、演奏を聴いてもらうだけでなく、楽器の紹介や指揮を体験するコーナーを設けるなど、音楽を通じた交流を大切にしています。
また、県の「文化のお届け便」という事業に参加していて、毎月1回、市内の学童クラブや子ども食堂などへ出向いて、ソロやデュエットで演奏しています。
子どもたちは、間近で聴く楽器に興味津々で、1音目が鳴ると「わぁっ」という感じで真剣に耳を傾けてくれます。知っている曲では、体を揺らしたり、口ずさんだりする姿もみられます。嬉しかったのは、「音がお腹にビリビリ響いたよ」と言われたことです。今は音楽を手軽にどこでも聴ける時代ですが、やはり生演奏でないと、お腹や体に響く音は感じられないのではないでしょうか。
私が担当した回では、子どもたちに指でユーフォニアムのピストンを押してもらい、私が息を吹き込んで、音が変わる体験をしてもらいました。間近で演奏を聴いて「あの音が素敵だった」という経験や、楽器に触れる経験が、子どもたちが音楽に親しみをもつきっかけになってくれたらいいなという思いで活動しています。
市内には吹奏楽部のある学校も多く、楽器も学校が用意してくれます。自分には無理だと諦めることなく、少しでも興味があれば、吹奏楽部の門を叩いて欲しいと思います。
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―市内の中学校・高校の吹奏楽部へ指導にも行かれているとか。
団員が、土日に学校に行き楽器や合奏の指導を行っています。吹奏楽は楽器ごとの専門性が高く、楽譜も楽器ごとに違うため、顧問の先生も自分の専門楽器以外を指導するのは難しい場合があります。そのため「この楽器を教えに来てほしい」といった依頼が寄せられます。指導をプロの先生に依頼するとなると、日程や費用の面で難しいこともありますが、私たちは市内で活動しているので、「来週行けますよ」と力になることができます。
長崎市でも、少子化や教員の働き方改革など、学校の部活動を取り巻く環境は大きな転換期を迎えています。地域の学校の吹奏楽部を継続していくという意味でも、ラフォーリアと地域が手を取り合い、音楽を通して支え合う仕組みを築いていくことは、大きな意義があると考えています。
中学の吹奏楽部で教えていた生徒が、楽器を続けてくれて、今ではラフォーリアの団員となって私たちと一緒に演奏しているという嬉しい繋がりも生まれています。
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―現時点で決まっている今後の活動予定を教えてください。
2月8日(日)にブリックホールで開催される、県と市共催の「ながさきこども文化ミーティング」に出演します。小・中学生とその保護者が、様々な文化芸術活動に出会い、体験できるイベントです。私たちは音楽ステージを担当し、大ホールで戸町小ブラスキッズとのコラボ演奏と、ラフォーリア単独のコンサートを行います。
3月10日(火)には、ブリックホールのラウンジコンサートにアンサンブルで出演し、6月27日(土)には、ブリックホール大ホールで定期演奏会を開催します。
この他の活動についても、随時、楽団の公式インスタグラムや「ながさき井戸端パーティーHP」でお知らせしていきたいと思います。定期演奏会やミニコンサートについては、市内の主な公共施設にチラシを置かせていただいているので、ぜひチェックしてみてください。
―読者の皆さんにメッセージをお願いします。
長崎の皆さんに、本格的で熱狂的な音楽を楽しんでいただけるよう、引き続き団員一丸となって真摯に練習に取り組んでいきたいと思います。
そして、より多くの人に音楽の楽しさを伝えられるような活動を通じて、アンサンブル・ラフォーリアが、次世代まで長崎で可愛がっていただける、息の長い吹奏楽団に成長していくことを願っています。
ぜひ、演奏会やミニコンサートをはじめとする音楽イベントに気軽に足を運んでみてください。吹奏楽の生演奏の響きに触れ、音楽を通じた交流を楽しんでもらえると嬉しいです。
団員も大募集中です。中学、高校、大学などで楽器演奏の経験のある方、私たちと一緒に演奏し、音楽のある豊かな人生を楽しみましょう。
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アンサンブル・ラフォーリア
【Instagram】
https://www.instagram.com/ensemble_la_folia
練習日時:毎週土曜日 18:00~22:00
練習場所:市内の公共施設(ブリックホール練習室など)
※見学をご希望の方は、気軽に上記のインスタクラムのDMにてご連絡ください。





